メタボとは

正確にはメタボリック症候群といいます。糖尿病と密接な関係にあります。

昔から肥満があると高血圧、糖尿病や脂質異常症(高脂血症)などの病気の重なることが多いことは誰でも認識していました。その理由がわかり始めたのは、およそ30年前に「糖尿病がなくても高血圧の人では体内のインスリンの働きが悪く、血液中のインスリンが多い」との研究結果が報告されたのが端緒です。「インスリン抵抗性症候群」と呼ばれました。
その後、複数の病気が重なる状態として、「内臓脂肪症候群」「死の四重奏」「メタボリックシンドロームX(エックス)」などが次々と報告されました。現在はこれらを統一してメタボリック症候群と呼ぶようになりましたが、それとともにその本質もしだいに明らかになりつつあります。

体内の脂肪細胞は今までは単に栄養を蓄える倉庫の働きをしているだけと考えられていましたが、最近はいろいろな物質を分泌していることが判明しました。そのうち、アディポネクチンと呼ばれる物質のみは身体に良い働きをしていますが、他のほとんどのものは有害であることがわかっています。とくに肥満によって内臓に脂肪がたまると脂肪細胞そのものが大型になって機能が高まり、このような有害物質をたくさん分泌します。その結果、血圧の上昇、糖代謝の異常(糖尿病)、脂質の異常などを来すわけです。

平成20年度から行われている特定健診は、このようなメタボリック症候群の人々を早期に発見して自覚を促し、以上のさまざまな病気にならないように生活習慣の改善を期待する、というのが大きな目的です。